多頭飼育の猫トイレに関する研究 〜あいつのトイレは嫌か〜
アメリカのネスレピュリナから猫のトイレに関する新しい研究が出ていましたのでご紹介します。 猫のトイレ問題は深刻で、粗相を繰り返すと飼えなくなり外に逃してしまう、飼育放棄の原因になることもあります。 またトイレの良し悪しで膀胱炎になってしまうこともあるので、健康のためにもより良い環境のトイレを用意してあげましょう。 猫のトイレについて詳しくはこちら これまで猫のトイレに関する研究では以下のようなものがありました。 ・ウンチをするときは砂が深い方が好まれる ・粒が小さい砂が好まれる ・大きなトイレが好まれる ・屋根の有無は好みに影響しない 今回の研究は「同居猫が使った後のトイレを嫌うか?」について調べました。 猫が使用済みトイレを嫌うことは明らかですが、この研究は「きっと猫は自分が使った後のトイレよりも、同居猫が使った後のトイレの方がより嫌うはずだ」という仮説のもと行われました。 一見、自分が使った後のトイレより同期猫が使った後の方が猫は嫌がりそうですよね。 なぜなら猫のトイレは単純な排泄以外にも、マーキングの意味もあります。 例えば、より支配的な猫は他の猫よりも便を砂に埋めないという報告もあります。 これは便をそのままにすることで縄張りをアピールしているというわけです。 しかし今回の研究では、意外と猫は他の猫が使ったトイレをさほど気にしていないことがわかりました。
実験の概要 ①綺麗なトイレ ②自分の排泄物が入ったトイレ ③同居猫の排泄物が入ったトイレ ④ダミーの排泄物(ゼラチンで作った無臭の便とただの水)が入ったトイレ この4パターンのトイレのうち2つを用意し、猫がどちらを頻繁に使用するか観察しました。
綺麗なトイレを選ぶのは当然の結果ですね。 面白いことに、同居猫の排泄物入りトイレと自分の排泄物入りトイレはどちらも同じくらいの使用率でした。 そしてダミーの排泄物入りと、同居猫の排泄物入りのトイレの比較でも差がありませんでした。 以上のことから、猫は臭いによってトイレの好き嫌いはなく、ダミーでも砂の上に何かがあると嫌がるということがわかりました。 そしてこの研究ではダミーの数を増やすとより使わなくなること、また便のダミー(ゼラチン)よりも尿のダミー(ただの水)をより嫌がることがわかりました。
まとめ 猫は綺麗なトイレを好むという当然の結果と、意外とそこまで臭いを嫌がらないことがわかりました。 反対にゼラチンや水などは臭いがなくても嫌なようです。 また便よりも尿をより嫌がるのは、より障害物として大きいからでしょう。 猫がトイレをする様子を観察していると、入念にポジションを定めているので排泄物が手足につくのを非常に嫌がっているのでしょう。 またトイレ後の砂かきのかき心地も大事なようで、尿が残っているとやはり邪魔されます。