獣医師が教える猫の爪切り必勝法②
3.切るコツ 切る時以外は爪に触れないようにしましょう。 躊躇してなんども触れていると猫がイライラし始めます。 また爪の先端には痛覚はありませんが、切る時の振動を嫌うようです。 切れ味の落ちた爪切りはすぐに交換しましょう。
4.抑えるコツ 4.1 前足を切るときに抑え方 一人で爪切りできる猫の方がむしろ少ないです。 やはり誰かに抑えてもらいながらやった方が圧倒的に楽です。 猫は四肢の先端を掴まれることを嫌います。そして、引っ張られることも嫌います。 そのため、肘や膝の関節を掴み押し出すようにして抑えると良いでしょう。
4.2 後ろ足を切るときの抑え方 後ろ足は前足よりも足首の可動域が狭いため、無理に回転させると嫌がります。 そのため、赤ちゃん抱っこか、横に倒して切ると良いでしょう。 いわゆる”赤ちゃん抱っこ”。後ろ足を伸ばすようにアシストしてもらうとより切りやすい。 横に倒して切る方法。こちらの方が活発な猫でも抑えることができる。 口が出る場合はタオルで顔を包んでも良い。
4.1 猫袋を使ってみよう モデル:カツオ 5.5kg 猫保定袋 大(青)。5kg以下の猫は小(赤)の方が使いやすい どうしても抑えることが難しい場合や、抑える人がいない場合は「猫袋」または「みのむし袋」と呼ばれているものを使ってみるのも良いでしょう。 特にムズムズ動いてしまうタイプの猫ちゃんにはおすすめです。 当院では「富士平工業の猫保定袋」を使っています。 これは非常に強度が高いのでおすすめですが、残念ながら一般販売はしていないようです。 一般販売されているものでは、猫袋やさんの「帆布の保定猫袋」が柔道着のような素材で十分な強度がありおすすめです。
5. 爪切りのトラブル 5.1 出血してしまった 誤まって上記のクイックという箇所を切ってしまった場合出血します。 爪の出血は止まりづらく、そのままにしていると床の広範囲に血がついてしまいます。 出血した場合は清潔なガーゼを当て10分間圧迫してください。 ほとんどの場合それで止まりますが、それでも出血が続く場合は動物病院を受診してください。 5.2 爪が肉球に食い込んでいる ほとんどの爪が肉球まで到達してしまっている。歩く時にカチカチ音がする。 高齢猫で多いケースです。猫の爪、特に前足の爪は孤を描いて伸びるため1回転して肉球に刺さっていることがあります。 高齢になると爪研ぎをしなくなるために起こります。 既に突き刺さっている爪を切るのは痛みが強く噛みつかれる危険性があり、また化膿している場合は消毒が必要になるので、動物病院で切ってもらいましょう。 6.最後に 今回紹介したポイントを押さえれば爪を切るのがグッと簡単になるでしょう。 最後のコツはささっと迅速に切ることです。 これは慣れが必要ですが、猫は飽きやすいので、短い時間で終わらせることは動物病院で行う処置でも意識しています。 そして、本当に嫌がる猫はお互い怪我をしてしまう危険性があるので決して理無理をせず、動物病院またはトリマーさんに頼みましょう。